• 千葉県八街市にある家族的な教会です

2023年1月18日聖書の学び

本日は、フィリピの信徒への手紙2編3,4節から「虚栄心がもたらすもの」と題して短くお話をします。

2:3 何事も利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、2:4 めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい。

先日、将棋の藤五冠井聡太五冠と羽生善治九段が対局し、熱戦の末、藤井壮太五冠が勝利しました。二十歳の快挙です。その藤井聡太さんですが、二年ほど前にトップクラスの高校を卒業目前にして退学届を提出したことがニュースとなっていました。退学の理由は時間を将棋一筋に使いたかったそうです。

これと同様なことが、岸義紘先生が20歳の時に所属していた教会でもありました。当時、岸先生が所属していた教会には牧師2名、副牧師2名の4名の牧師がいました。副牧師の一人の先生は大変優秀で、子どもたちからお年寄りに至るまで人気者でした。この先生は皇族の親戚ですが、とても庶民的な好青年でした。そして、この先生はなんと東京大学を卒業する一週間前に自主退学をしたのです。献身して神学校に行き牧師となる身に、東京大学の卒業証書は純粋な信仰から外れる可能性があるとの判断です。信仰だけで生きるには卒業証書など不要だというのです。そんなある日、その先生がアメリカの研修会に参加し、教会宛に次のような手紙が届きました。「会場で知能検査があり、自分が主席だった」と。この手紙が教会で読みあげられたときに拍手とともに大絶賛が起こりました。しかし、これを不審に思った一人の教会員が国際電話で確認をするとそのような事実はありませんでした。そして、この副牧師の経歴等も調べてみると全てがまっかな嘘だったのです。その後、その副牧師は教団と教会から免職処分となり、そのことが原因で教会は二分三分してしまいました。岸先生はこれらの一連のことを「最も深いところから揺すぶられた悲しい出来事だった」と述べています。この副牧師は結婚をひかえていたのですが、結婚相手に見栄を張ってしまい、気が付けば噓に嘘を重ねてしまったのです。聖書には十戒をはじめ嘘についての戒めは多く記されていますが、詩編5編7,10節を見てみましょう。

5:7 主よ、あなたは偽って語る者を滅ぼし/流血の罪を犯す者、欺く者をいとわれます。5:10 彼らの口は正しいことを語らず、舌は滑らかで/喉は開いた墓、腹は滅びの淵。

一人の人間の虚栄心が嘘となり、教会の分裂を引き起こしたのです。さて。私たちはどうでしょうか。虚栄心はありませんか。今、ここで心を探ってみようではありませんか。