2023年2月15日聖書の学び

本日は、ヨハネによる福音書21章20-22節から「比べない！私は私」と題して短くお話をします。

21:20 ペトロが振り向くと、イエスの愛しておられた弟子がついて来るのが見えた。この弟子は、あの夕食のとき、イエスの胸もとに寄りかかったまま、「主よ、裏切るのはだれですか」と言った人である。 21:21 ペトロは彼を見て、「主よ、この人はどうなるのでしょうか」と言った。 21:22 イエスは言われた。「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか。あなたは、わたしに従いなさい。」

お読みになった方もおられると思いますが、二年くらい前に流行った本に「74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろっている」というタイトルの本があります。

遅まきながら最近、読みました。著者は74歳のミツコという牧師の方です。本名はわかりませんが、牧師家庭に生まれ育ち、牧師と結婚をし、ご主人が召天されてから牧師となり、今は第一線を退き協力牧師として時折、説教奉仕をされています。本の最後の部分には次のように記されています。そのまま引用します。『今は全部そろっていて、満ち足りています。暖かい家があり、健康な体があり、今日食べるご飯がある。空は青く、花は美しい。お金も今ある分で十分ありがたい。何かが足りないと思うのは人と比べてしまっているかもしれません。そんなときは「比べない！私は私」と自分に言い聞かせています。どんなことがあっても、そこに良い部分を見つける。（中略）たとえば、病気になっても「早く見つかって良かった」、掃除をするときも「筋トレになって良かった」など、必ず大変さを楽しもうと思います。』人と比べる必要はありません。わかっていてもついついそうしている自分がいます。そこから欲望が生まれるのです。私はミツコ牧師が聖書の教えを本当に実行していることに敬服の念に堪えませんでした。今日の聖書箇所の「イエスの愛しておられた弟子」とは使徒ヨハネのことです。ヨハネもペトロと同様に十二使徒の代表格です。ペトロはヨハネをライバル視していたのかもしれません。そこで、「主よ、この人はどうなるのでしょうか」とヨハネの将来を主イエスに尋ねたのです。主のお答えは「あなたに何の関係があるか。」でした。つまり、人と比べる必要はないということです。サザエさんで有名な漫画家の長谷川町子さんはクリスチャンです。彼女は作品の中で「無意味な存在はどこにもない」ということを暗に伝えていたそうです。「比べない！私は私」です。人と比べるのをやめ、与えられた賜物を活かし、主に従って参りましょう。