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2026年5月10日主日礼拝説教要旨 伏見敏師

説教題:この恵みに踏みとどまりなさい
聖書箇所:ペトロの手紙一 5章1-14節(新共同訳新約434-435頁)
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中心成句:「これこそ神のまことの恵みであることを証ししました。この恵みにしっかり踏みとどまりなさい。」(5章12節)

ペトロはかつて、剣を抜いて力で守ろうとし、そして大声で否定して逃げた人でした。しかしその失敗を通して、本当の強さは謙遜と信頼から生まれることを学びました。激しい迫害の中で「なぜ信じているのに苦しいのか」と重荷を負っていた人々に向けて、ペトロは手紙の最後でこう語りかけます。「これが神のまことの恵みだ。そこに踏みとどまれ」と。5章1-14節から三つのことを学びます。

①見ていてくださる神の恵み(1〜4節)

ペトロは自分のことを「使徒」とは呼ばず、「長老の一人として」と語り始めます。群れはリーダーのものではなく、神のものです。この感覚が薄れると、牧会は支配へと変わります。牧会を支えるのは能力や実績ではなく、「わたしを愛しているか」とイエスに三度問われたあの問いへの答えです。そして4節には約束があります。当時の競技で勝者に与えられた葉の冠は数日で枯れました。しかし神が与えてくださる栄冠は朽ちません。黙々と働いている人、ひっそりと祈り続けている人、その人のことをキリストは覚えておられます。

②任せることを許す神の恵み(5〜7節)

「謙遜を身に着けなさい」という言葉の原語には、仕事着を体にしっかり結びつけるというニュアンスがあります。謙虚な気持ちになるのを待つのではなく、謙遜な行動を今日選ぶのです。そして7節「思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい」。「お任せする」というギリシャ語は「投げつける」という強い動詞です。そっと置くのではなく、力を込めて投げてよいのです。大きな心配も、小さな不安も、誰にも言えない悩みも、全部です。なぜそれができるのか。「神があなたがたのことを心にかけていてくださるから」です。

③試練の中で完成へ導く神の恵み(8〜11節)

悪魔は確かに強力です。しかしすでにキリストによって敗北した敵でもあります。ペトロは「逃げなさい」とは言いません。「踏みとどまりなさい」と言います。その根拠は自分の強さではなく、神への信頼です。「あなたがたと信仰を同じくする兄弟たちも、同じ苦しみに遭っている」。自分だけが苦しんでいるという孤立感は、苦難の中で最も危険な感情の一つです。10節の約束は四つです。「完全な者とする」「強める」「力づける」「揺らぐことがないようにする」。これらはすべて神が主語です。そして「しばらくの間」とある。苦しみには終わりがあります。

今日、三つのことを学びました。人が見ていなくても神は見ていてくださること、思い煩いは全部神に投げ出してよいこと、苦しみを通して神があなたを完成させてくださること。これがペトロの言う「まことの恵み」です。この恵みに、しっかり踏みとどまってまいりましょう。