ハイデルベルグ信仰問答⑬
第二部 人間の救いについて 子なる神について(1)-イエス・キリスト-
問29 なぜ神の御子は「イエス」すなわち「救済者」と呼ばれるのですか。
答 それは、この方がわたしたちをわたしたちの罪から救ってくださるからであり、他の誰かに救いを求めたり、ましてやそれを見出すことなどできないからです。
主要聖句 マタイ1:21、使徒4:12
問30 それでは、自分の幸福や救いを聖人や自分自身や他のどこかに求めている人々は、唯一の救済者イエスを信じていると言えますか。
答 いいえ。たとえ彼らがこの方を誇っていたとしてもその行いにおいて、彼らは唯一の救済者または救い主であられるイエスを否定しているのです。なぜなら、イエスが完全な救い主ではないとするか、そうでなければ、この救い主を真実な信仰をもって受け入れて、自分の救いに必要なことのすべてをこの方のうちに持たねばならないか、どちらかだからです。
主要聖句 マルコ2:17、ガラテヤ5:4
cf.ウェストミンスター大教理問答書
3神の聖定
問13 神は、み使と人間について、特に何を聖定されたか。
答 神は、永遠不変の聖定によって、彼の全くの愛から、その栄光ある恵みがたたえられるため、定められた時に現わされるように、あるみ使を栄光に選び(1)、またキリストにあって、ある人間を永遠の生命と、それへの手段に選ばれた(2)。また、彼の主権的み力と、(それによってみ心のままに愛顧を施したり、差控えたりなさる)ご自身のみ旨の測り知れない計画に従って、その正義の栄光がたたえられるように、残りの者を見捨て、彼らの罪に対して加えられる恥と怒りにあらかじめ定められた(3)。
(1)テモテ一5:21
(2)エペソ1:4-6、テサロニケ二2:13,14
(3)ロマ9:17,18,21,22、マタイ11:25,26、テモテ二2:20、ユダ4、ペテロ一2:8