本日は、詩篇34篇19節(口語訳)から「あの人がやっているのだから。。。」と題して短くお話をします。
34:19 正しい者には災が多い。しかし、主はすべてその中から彼を助け出される。
ヨハネによる福音書2章1-12節にはカナでの婚礼の際に主イエスが水をぶどう酒にかえた奇跡が記されていますが、ぶどう酒が水にかわった話を聞いたことがあります。ドイツのある村の学校で長年先生をしていた方が定年となり退職をすることになりました。先生は教育に熱心で温和な性格でしたので、村の誰からも愛され尊敬されていました。村人は退職の記念に何を贈ろうかと相談をしていましたが、先生の好きなぶどう酒を贈ることにしました。村の広場に大きなカメを置いて、それぞれが自分たちの家で作ったぶどう酒を入れるのです。村人は先生への感謝の気持ちを込めて自分の家からとっておきのぶどう酒を持ってきてカメに注いだのです。やがてカメは一杯になり、先生は感謝の言葉とともにカメを持ち帰りました。その晩、さっそくぶどう酒を楽しんだところ、なんとぶどう酒が水になっていたのです。勿論、これは奇跡ではありません。この顛末は村人の一人が「わたし一人くらい水を入れてもわからないだろう。皆はぶどう酒をいれるのだから」と考え実行をしたのです。そしてそのことを親しい人に伝えたのです。すると村人の全員が同じ思いとなり、ぶどう酒の代わりに水をいれたのです。悪いこととはわかっていても「あの人がやっているのだから自分がしても良い。。。」という自分勝手な考え方です。詩篇の記者は語ります。正しい者には災が多い。しかし、主はすべてその中から彼を助け出される。「正直者はバカをみる」と聞くことがあります。確かに、正直でまじめに生きたら、世の中ではバカをみることもあるかもしれませんし、辛い思いをするかもしれないでしょう。しかし、聖書は正しく生きることを教えます。世で報いられなくても、必ず主が報いてくださるのです。以前、フイリッピンでジプニー(乗り合いタクシーのような車)に乗った時に、運賃をごまかさないようにと車内にGCYと書かれていました。God sees you.の意味です。主は全てをご存じでご覧になっているのです。誰がやっていても正しくないことはしない。誰もしていなくても正しいことはする。このことは主イエスが山上の垂訓で弟子たちに語った「地の塩、世の光」となることであり、このことを通して人々を主イエスに導くことができるものなのです。あの人がやっているのだから。。。悪い事ではなく良い事をあの人がやっているのだから私たちもしようではありませんか。