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2023年10月4日聖書の学び

創世記の学び(新共同訳聖書 スタディ版 各書の概説 原文転載)

特徴

創世記という言葉は「起源」「生成」を意味するギリシア語(ゲネシス)に由来する.世界の起源、人類の起源、イスラエルの民の起源といったさまざまな起源が創世記には書かれており、また信仰の書として、神がどのような存在であり、天地創造以来どのように人間とかかわってきたのかに特に関心が寄せられている。*ヘブライ語の書名は書物の冒頭の言葉で呼ぶ習慣に従い、「ベレーシート(初めに)の書」という。

なぜ、書かれたのか?

イスラエル人の先祖は自分の家族史を書き記すのではなく、さまざまな物語を語った。それらの物語が代々語り継がれていき、最終的に書き留められ、神がどのようにして世界を創造し、イスラエルの民がどのようにして神の民となったのかについて、記録を持つことになったのである。また、そこには最初の人類がどのようにしてエデンの園で神との完全な関係を壊してしまったかが描かれているが、神は人間に対してあきらめることなく、アプラハムとサラ(最初はアブラムとサライと呼ばれた)を選び、北メソポタミアの故郷を離れカナンの地に行くように命ずる。神はアブラムとその子孫にその土地を与え、アブラムの子孫は世界のすべての国に神の祝福をもたらす偉大な民となると約束した(12.1-3)。創世記には多くの系図が見られる。イスラエル人どうしの関係だけではなく、占代近東、中東、北東アフリカの民族や国々とイスラエルの民の関係が系図によって説明されている。

どんな背景があるのか?

伝承によれば、創世記を合む聖書の最初の5巻を書いたのはモーセとされるが(それゆえ「モーセ五書」と呼ばれる)、モーセの活躍した時代を明確にするのは難しい。B.C400年から1250年の間であろうと推定されているが(王上6.1)、もしそうであるならば創陛記は今から3,300年以上も前に書かれたことになる。しかし、創世記が最終的に書物の形になったのはモーセよりもかなり後の時代で、捕囚の時代(B.C.587-538年)ではないかという説を巡ってこの200年の間、議論が続いている。天地創造について二つの異なる物語があり、最初の物語では神が7日間で天地万物と人間を創造したとされ(1.1-2.4前半)、二つ日の物語ではエデンの園で男と女が創造されている(2.4後半-25)。この二つの物語ではそれぞれ異なる神名が用いられていることが指摘されている。このことから創世記は異なる著者による物語、つまりそれぞれがイスラエルの先祖たちの「家族のアルバム」に寄与する重要な物語や歴史文書がまとめられたものではないかと考えられるようになった。しかし、創世記を書き記したのがだれあれ、その指針は明らかであろう。アブラハムとサラと彼らの子孫(イスラエルの民)の神が天地の創造主であり、すべての人を救うために歴の中に働いているということである.

構成は?

創世記は大きく二つに分けられる.一つは1-11章の天地創造、アダムとエバ、ノアの洪水、バベルの塔などの物語であり、もう一つはアブラハムとサラの冒険に始まり、その係ヤコブとその家族がエジブトで暮らすようになるまでのイスラエルの民の先祖の物語が伝えられている12-50章である。

人類の歴史の始まり(1.1-11.25)

天地創造(1.1-2.25)

エデンの園での罪(3.1-4.16)

人類の最初の世代(4.17-5.32)

ノアとその子孫 (6.1-11.25)

神の民、イスラエルの起こり(11.26-50.26)

アブラハム、サラ、イサク(11.26-23.20)

イサクとその家族(24.1-28.9)

ヤコブとエサウ(28.10-3643)

ヨセフ物語(37.1-50.26)