(新共同訳聖書スタディ版各書の概説 原文転載)
特徴
ルツ記という美しい物語は多くのことを教えてくれる。例えば、
● 神の目的は予想もしなかった形で成就される
● 神は神に忠実な者の人生の中で働く
● 他者を助け、家族や友人に尽くすことは人生を変え、幸いをもたらす
● 神の恵みはユダヤ人だけではなく、すべての人に注がれている
● 神はすべての人を思いやり、その日常生活の中で働く
なぜ、書かれたのか?
ルツの物語はイスラエルの民に、神はユダヤ人だけではなく、他国の人々をも 用いて神の計画をこの世界で成就させることを示すために書かれた。ルツはイスラエル部族の出身ではなく、モアブの出身である。子のいない寡婦であるしゅうとめのナオミの世話をするために、安心して住める自分の故郷を離れてイスラエルに移住する。この物語の最後にはルツがイスラエルで最も偉大な王であるダビデの先祖であると書かれている (4.13-22)。
どんな背景があるのか?
ルツ記に記されている出来事は、ダビデがイスラエルの王となる (B.C.1000年) 以前の200年間の士師時代のこととされる。物語の中に出てくる言葉や風習の多くはこの時代特有のものである。しかし、言語上の特徴や物語の中で使われている律法にはB.C.250年前後のものと考えられるものもある。おそらく、この物語が最終的に今の形になったのが、実際の出来事から何世紀も後のことであったためと考えられる。
構成は?
ルツ記には興味深い登場人物とハッピーエンドで終わる筋立ての短編小説の趣があるが、そこには神とその民についての大切なメッセージが込められている。物語は以下のように分けることができる。
ルツ、モアブを離れる決意をする (1.1 – 22)
イスラエルでのルツ (2.1 – 4.22)