本日は、テモテへの手紙二3章16節から「この虫のように」と題して短くお話をします。
3:16 聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。
聖書が世界一のベストセラーの書物であることは有名ですが、発行部数は、少なくとも50億部以上。なかには150億、3,880億部などという説まで存在しています。2017年時点で3,200語にも翻訳され、聖書の行き届いていない国などほぼ存在しないと言われています。「世界で一番売れた本」として、世界ギネス記録に堂々と認定されています。1818年の事です。アメリカのインディアナ州に信仰深いナンシーという34歳の女性がいました。ナンシーは毒草を食べた牛の乳を誤飲したことで死の間際にいました。そこで、当時、10歳の少年だった息子のリンカーンを枕元に呼んでこう語りました。「私はおまえがどんな偉い人間になるよりも、この聖書の教える通りに生きてほしいんだよ。」ナンシーは一冊の聖書を手渡してから天に召されました。リンカーンは、母ナンシーの遺言通り、聖書を愛読し、聖書の教えに従い、真実に生きようとしていました。リンカーン少年とは後のアメリカの16代大統領のアブラハム・リンカーンです。大統領に就任した時に次のように語りました。「私が今このようにいきているのは母から与えられた聖書のおかげです。」パウロは愛弟子のテモテへ二度に渡り手紙を送りました。牧会的、実践的な教えが記されているのが特徴です。聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。と勧告をしています。この「聖書」という言葉に着目してみたいと思います。新約聖書で聖書と記されている聖書とは旧約聖書のことです。勿論、新旧約聖書の意味で解釈をして構わないのですが、厳密に言えば旧約聖書です。「旧約聖書は苦手だ。面白くない。恵まれない。裁きばかりで愛を感じない。」と言った声を聞くこともありますが、聖書は旧約聖書39巻、新約聖書27巻の66巻で完全な書物なのです。イギリスの有名な説教家のスポルジョンは伝道旅行のとき、スコットランドのホテルに泊まりました。テーブルの上には聖書が置いてあり、手にとって良く見ると聖書の初めから最後まで光が通る小さな穴があいていました。虫が食った穴あとです。これを見たスポルジョンは次のように祈りました。「主よ、わたしをこの虫のようにしてください」。選り好みすることなく聖書66巻を通読致しましょう。