本日は、アルミニウス主義とカルバン主義の違いの一つである「恵みからの脱落・聖徒の堅忍」についてお話をします。
キリスト教には教派があります。宗派ではありません。先ず、宗派と教派の違いを説明します。宗派とは経典が異なる場合に使います。たとえば、仏教の天台宗と真言宗では共通の経典がありますが、異なる経典も存在します。これが宗派です。一方、教派とは経典は一つですが、強調点が異なったり、一部の解釈が異なったります。プロテスタントのキリスト教の教派は細かく分けると200以上になりますが、アルミニウス主義、カルバン主義、その他に分けることが出来ます。私たちの教会が所属している日本ホーリネス教団はアルミニウスの流れを汲み、長老教会や改革派の教会はカルバンの流れを汲みます。ルーテル派の教会はその他です。今、学んでいるハイデルベルク問答集もウエストミンスター問答集もカルバン主義の問答集ですので、教理の差に留意する必要があります。
アルミニウス主義とカルバン主義には5つの違い(下記参照)がありますが、今日は、一度、信仰を持った人でもいい加減な生活をしていたら救いから落ちてしまうと言う考え方と、一度、信仰を持った人は決して救いから落ちることはないと言う考え方についてお話をします。前者をアルミニウス主義の神学用語で言うと「恵みからの脱落」(Falling from Grace)で、後者をカルバン派の神学用語で言うと「聖徒の堅忍」(Perseverance of Saints)です。
それぞれの根拠聖句は下記です。
恵みからの脱落
ヘブル6:4-5、ヘブル10:26,29、ペトロⅡ2:20-22
聖徒の堅忍
ヨハネ10:28-29、ローマ11:29、フィリピ1:16、テモテⅡ1:12
※参考
アルミニウス主義
自由意志(Free will)
条件付き選び(conditional election)
普遍的贖い(Universal atonement )
可抗的恩恵(Obstructable grace)
恵みからの脱落(Falling from Grace)
カルバン主義
全的堕落 (Total depravity)
無条件的選び (Unconditional election)
制限的贖罪 (Limited atonement)
不可抵抗的恩恵 (Irresistible grace)
聖徒の堅忍(Perseverance of Saints)