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2023年4月12日聖書の学び

オバデヤ書の学び

概略

12小預言書一つ。旧約聖書中で最も短い書簡で章はなく節のみ。大預言書と小預言書の分類は預言の数が多いか少ないかで、内容は関係がない。新約聖書にはオバデヤ書からの引用はない。

著者

オバデヤ、オバデヤの名の意味「主(ヤーウエ)の僕」

執筆年代

執筆年代の特定は出来ない。エレミヤ書49章14-16節はオバデヤ書1-4節からの引用で、ヨエル書にもオバデヤ書からの引用と思われる箇所があるので、ヨアシュ王以前と考えられる。一方、オバデヤ書10-14節に記されている内容は、バビロンのネブカドネザル王による侵略の出来事と思われるので、エホヤキム~ゼデキヤ王の時代とも考えられる。オバデヤの名前は口語訳、新改訳では列王記上18章3,4節を含め12回、記されている

列王上 18:3 アハブは家づかさオバデヤを召した。(オバデヤは深く主を恐れる人で、18:4 イゼベルが主の預言者を断ち滅ぼした時、オバデヤは百人の預言者を救い出して五十人ずつほら穴に隠し、パンと水をもって彼らを養った)。

新共同訳でオバデヤが登場するのはオバデヤ1節のみ。他の箇所ではオバドヤと訳しオバデヤ書の記者と別人物とみなしている。これは、新共同訳はオバデヤ書の執筆年代をエホヤキム~ゼデキヤ王の時代と解釈しているからだと思われる。

背景

エドム人はエサウの子孫。エサウはイサクの子でヤコブの双子の兄(創世記25章23節)。エサウの別名はエドム(創世記25章30節)、ヤコブはその後イスラエルと改名(創世記32章28節)。エサウとヤコブが対立したように、エサウの子孫のエドム人とヤコブの子孫のイスラエル人とは争いが絶えず、イスラエルがバビロンの捕囚にあったのち、エドム人はイスラエルを占拠し難民に暴力を加えました。(アモス書1章6-9節、エゼキエル書35章)神が選んだイスラエルの民に敵対することは神に敵対することに他ならないのです。

構成・テーマ

1-14節 神の正義:イスラエルに攻撃する者、傲慢な者への裁き

15節 主の日:神が裁きをなされる日

16-21節 神の祝福:神に従う者への祝福と従わない者の滅び

ヘブル語のエドムはアダムと同様にアダマ(土)からの派生。エドムに対する裁きとイスラエルの祝福は全人類への裁き(7年の艱難時代)と祝福(千年王国)の預言とも解釈が出来る。